コンピュータの進化 2019.02.17-02.23

コンピュータは1946年のENIACがその実質的な誕生とされる。その約20年後に大学等に計算機センターができて、研究者にとって身近になった。「科学の情報化」である。その後コンピュータは、さまざまな情報化に寄与してきた。それを早足で振り返ってみよう。

「組織の情報化」1960年代にコンピュータは企業などの組織に導入されるようになった。それを牽引したのが国際的なビジネスマシンの会社、IBMである。System/360に代表される大型コンピュータ(メインフレーム)で時代をリードした。当時IBMはまさにコンピュータ業界の巨人だった。

「生産の情報化」1960年代後半にはミニコンピュータが登場して、工場の情報化に貢献した。DECのPDP-8が有名である。1970年代になると、インテルが中心になってマイクロプロセッサが開発された。これは家電製品にも組み込まれて、見えない形でコンピュータは身近なものとなった。

「個人の情報化」1980年代に入るとパーソナルコンピュータが登場した。これによって、コンピュータは単なる計算や制御をする機械ではなく、個人が情報活動するメディアになった。これは画期的なことであった。僕の書斎が情報化されたのもこの頃であり。これによって研究スタイルが一変した。

「社会の情報化」1990年代に、研究者だけのものであったインターネットが次第に一般にも普及するようになった。コンピュータは世界とつながり、さらには電子的な商取引も含め、さまざまな社会活動を支えるようになった。社会が情報化された。

「行動の情報化」1990年代後半にはモバイルの時代になった。コンピュータは携帯電話と結びついて、街を歩く人々の行動を支えるようになった。2000年代後半に登場したスマートフォン(略してスマホ)なしには、現代人はいまや一日たりとも生きられない。

「環境の情報化」ネットワークはいま、すべてのものをつないでいる。それは「もののインターネット(IoT)」と呼ばれている。そこでの膨大なビッグデータは、もはや人が直接扱う範囲を遥かに超えている。いまのキーワードは人工知能による「環境の知能化」。時代はますます進化している。