恋人同士 2011.01.23-01.29

まったく別の道を歩んできた男と女が、縁があって互いを最も愛おしいと思う関係になる。それが二人の人生を変える。考えてみれば不思議なことだけれども、すべて人生は、ほとんど偶然とも言える縁のつながりなのかもしれない。

恋人同士が、30分間会話しなくてもイライラしなければ、その関係は本物である。ついでに言えば、結婚した夫婦が、3日間会話がなくてもイライラしなければ、その関係は冷え切っている。

恋人同士が向き合っている間は、その関係は本物ではない。二人が向き合っている狭い空間に世界が閉じている。同じ方向を向くことによって、二人の前に新たな世界が開かれる。二人は共に歩むことができる。

恋人同士では「アバタもエクボ」。これは大切なことなのだ。顔にはイメージが重ね焼きされる。いい関係ができて相手にいいイメージを持っていれば、顔もよく見える。アバタもエクボになる。逆にエクボもアバタになると、その関係は危ない。

恋人同士の関係で大切なことは、つきあいのそれぞれの段階で、新たな魅力を相手に発見することだ。いかなる情熱も、長くても3年で冷める。関係そのものが新しくなっていかなければ長続きしない。

恋人同士の関係も、すべてがハッピーエンドになるわけではない。終局を迎えたときに初めて、二人の関係が何であったのか浮き彫りになる。修羅なのか、それぞれの成長の新たな一歩なのか。

恋人同士という関係は、結婚へ結びついてもつかなくても、それだけで祝福されていい。時には切ないことはあるけれど、相手を限りなく愛しく、自分以上に大切に思う気持ちは、それ自体が素晴らしいことなのだ。人が人である証しなのだ。