失敗と成功 2011.02.13-02.19

失敗と成功は人生につきものである。人は成功を自慢し失敗を後悔する。でもそう簡単な話ではない。成功をもたらす福の神と失敗を愛する貧乏神は仲がいい。結託して人生を面白くしてくれる。

失敗は成功の母。昔からそう言われる。後悔しているだけでは、失敗はいつまでも失敗でしかない。失敗をも一つの人生体験あるいは財産とすれば、人は大きくなれる。次につながる。昔の人は、さすがにいいことを言う。

成功は失敗の父。成功体験は奢りを生む。例えば企業において、ひとたび成功体験があると、それにこだわる。新たな挑戦ができなくなる。それを許さなくなる。その企業は失敗する。個人においても同様である。

失敗は失敗の兄。失敗が続くと、また失敗を繰り返すことを恐れるようになる。どうせ次もダメだろうと思う。そう思うと次も失敗する。成功はますます逃げていく。失敗が大好きな貧乏神はしつっこくつきまとう。

成功は成功の姉。福の神が成功を支えたとすれば、それは自分ではなく周りの人が呼び寄せてくれたものだ。その福の神には、感謝して素直に従った方がいい。奢りではなく感謝する心が、次の成功へつながる。

成功は心地いい。年寄りの思い出話は、成功体験が中心の自慢話になる。人は嫌なことを忘れたいと願い、実際そうなる。嫌な失敗体験をすべて覚えていたら、人は生きていけない。忘れることにより人は幸せになる。

失敗は成功よりも奥が深い。失敗談は巷に溢れるいかなる成功談よりも面白い。成功談は自慢話でしかないけれども、失敗談には人生がある。失敗の人生をも楽しむことができれば、その人生は成功だろう。難しいことだけれども。