プレゼン技術 2011.03.27-04.02

※地震のとき、「プレゼン能力」をテーマとしてつぶやいていました。その後、私の気持ちも地震のように揺れました。まだ何も解決していませんが、続きを「プレゼン技術」としてつぶやかせていただきます。

学会でのプレゼンには、その分野に固有の形式がある。それに従わないと未熟な発表あるいはアマの発表とみなされる。一方で、形式を守るだけでは研究者としてプロではない。本当のプロには、形式を守りながら、発表を他と差別化すること、印象づけることが要求される。

学会等での時間が限られたプレゼンは、最初の一分間が勝負である。そこで自分が主張したいことをまずはっきり述べて、相手に印象づけることが大切である。それが最初にしっかりできれば、あとは安心してその補足をすればいい。時間も気にならない。

学会の口頭発表で、最初に研究の背景ばかり長々と話す発表が多い。背景は必要だけれども、最初が面白くないと、聴衆は居眠りを始める。肝心の研究内容を話すときは全員眠っている。結論に入る前に、発表時間が終了してしまうこともある。

ポスターセッションでのプレゼンは、1分、3分、5分の3通りのメニューを用意しておくといい。それを相手の関心に応じて切り替える。自分勝手な長いプレゼンは、時間を気にしている相手をいらいらさせる。プレゼンは相手に聞く意思がなければ、何も伝わらない。

ポスターセッションは、自分の研究を発表することだけが目的ではない。それ以上に大切なことはネットワーク作りである。同じ関心を持つ研究者と、文字通り1:1で討論でき、顔見知りの関係になれる。それは研究者として一生の財産となる。

自分の研究を専門家相手にプレゼンすることは易しい。専門家はわからないことが恥だと思うから、わかったふりをしてくれる。それに対して非専門家相手は、自分で本当にわかっていないとプレゼンできない。学会でのプレゼンは、専門家だけでなく分野が少し違う非専門家も意識した方がいい。

プレゼンは技術もあるけれども、一番大切なことは「場数を踏むこと」だとつくづく思う。誰もが最初のプレゼンは緊張する。必ず失敗がある。それを繰り返すことによってプレゼンの達人となる。それ以外に王道はない。