左側の法則 2011.08.14-08.20

ときどきどうでもいいことを真面目に考えることがある。かつて女性のファッションでスリットが流行したことがあった。街で注意して観察するとスカートの左側が多い。それは何故なのだろうか?

人は装飾品を胸の左側につける。プローチしかり、勲章しかり。その理由の一つとして、利き腕が考えられる。確かに、右側の胸に豪華な装飾品がついていると、右手を動かすときに邪魔になる。スカートのスリットも一つの装飾だとすれば、それが左側にあるのも納得できる。

心臓は左側にある。相手に警戒心があるときは、左手で心臓をまもり、右手で相手を攻撃する。これが右利きが多い理由だとする説もある。逆に心臓がある左側を相手の前に出すことによって、相手へ警戒心がないこと、つまり親近感を示す。装飾品も親近感の表現かもしれない。

肖像画や肖像写真も、本人の左側を前にしているポーズが多い。それは、見ている人に親近感を与える。明るいイメージになる。それに対して左側を後ろに引くポーズは、相手を拒否して自分に閉じこもっている印象を与える。

西洋の宗教画では、天使は向かって左側に描かれる。光も左側から来る。それを迎え入れる人は、向かって左を向く。絵にはその人の左半身が描かれる。左側から光があたって、その方向へ向かう姿勢は、その意味では希望に満ちているのかもしれない。

人の装飾が左側に多いことは、右脳と左脳の違いによるとする説もある。感性を司る右脳は左半身を制御し、理性的な左脳は右半身を制御する。装飾は感性だから、右脳が支配する左半身にある。もっともらしい説だけれども、その真偽は知らない。

もともと人の体は、左右ほぼ対称にできている。進化論的には、すべての生物は水中に発祥があり、水の中をまっすぐ泳ぐときに、体が左右対称であることが必要だからだ。でも完全な対称はつまらない。適度な非対称さに、その人の魅力がでる。特に左側が面白い。