第二の人生 2012.01.01-01.07

いま僕の中に二人の自分がいる。一人は大学定年までの過去の延長としての自分、もう一人は定年以降に新たに生まれつつある自分である。新たな年を迎えて、いま僕は第二の人生を夢見ている。夢見るだけでどうなるかわからない。だから人生は面白い。

僕はかなり前に過ぎてしまったけれど、日本には還暦という習わしがある。これは長寿の祝いではない。年齢がリセットされて、第二の人生が始まることを意味する。成人式に対して「還暦式」をおこなう自治体もあると聞く。その還暦式で不良老人が暴れたら面白い。

1年少し前に65歳になったときにこうつぶやいた。65歳から80歳までも18歳から33歳までも同じ15年であるとすれば、これからの15年を後者で生きたい・・・。いま19歳、そろそろ浪人生活は終わりにしなければならないのか、それとも第二の人生はむしろ浪人がいいのか。

第一の人生は、社会の中である特定の役割を果たしていればよかった。そこでは専門的な知識や技能が要求された。他を切り捨てることができた。第二の人生はそれと違う。まずは自分自身が一人のトータルな人間となることが要求される。それが一番むずかしい。

これまでの第一の人生のほとんどは、組織によってデザインされていた。これからの第二の人生は自分でデザインしなければならない。そのために自分は何をしたいのか。自然にまかせて生きることも選択肢の一つかもしれない。いずれにせよ、いままで以上に人生に対する姿勢が問われる。

第二の人生を迎えるにあたって、僕が一番ワクワクすることは、素晴らしい人たちとの出会いの予感である。僕の第二の人生は、決して自分だけでデザインできるものではない。その人たちとの共同作業になるはずだ。あるいはその人たちのために生きることが第二の人生になるかもしれない。

第二の人生に加えて、もしかしたら第三の人生もあるかもしれない。きんさん・ぎんさんは100歳になったときにメディアにデビューした。第三の人生は、第二の人生よりもはるかに超越したものになるだろう。長生きをすればまだその先がある。そう考えると人生は楽しくなる。