メイク 2012.06.17-06.23

化粧はメイクとも言う。化粧することは英語でmake oneself up、文字通り自分自身をアップさせることだ。メイクによって自分自身を元気づけることができる。メイクは他人の目を気にしてするのではない。自分自身のために大切なのだ。

顔は心の窓といわれるけれども、内側からみれば顔は自分自身を映す鏡になる。顔という鏡を通じて、自分の気持ちが変わる。朝のメイクがうまくいくと、その日一日が楽しい気分になる。勇気がでる。積極的になる。逆に、肌が荒れて化粧のノリが悪いと、その日がなんとなく憂鬱になる。

メイクはエネルギーである。老人ホームで、そこにおられる方々にメイクしてさしあげるボランティア活動がある。メイクによって、みな明るくなって元気になるという。もしかしたら、それによって医療費も助かるかもしれない。

女子少年院でのメイクのボランティアがあると聞く。少女たちは、入所してくる前は、いわゆる“ケバい”メイクしかできなかった。女子少年院で彼女たちにきちんとしたメイクの仕方を教えると、それによって新たな別の自分を発見し、彼女たちの生き方が変わるという。

メイクによって別の自分になることができる。僕は、人には複数の顔があっていいと思っている。別に多重人格になることを推奨しているわけではない。なぜ顔は一つでなければいけないのか。そもそも自分の本当の顔とは何なのだろうか。

自分の顔は、社会や環境が決めているのかもしれない。周りから期待されている顔があって、知らず知らずにそれに合わせるようにメイクしているのかもしれない。そのようなメイクをいつもする必要はない。仕事のメイクと遊びのメイク、昼のメイクと夜のメイク、いろいろあっていい。

たまにはいつもと違うメイクをしてみよう。別の顔を持ってみよう。もしかしたらもう一人の違う自分を発見できるかもしれない。社会の束縛から自分が解放されるかもしれない。それ以上に自分自身の束縛から解放されるかもしれない。