アイライン 2012.09.09-09.15

いまの僕にとってはどうでもいいけれども、若い女性のメイクのアイラインが気になる。キツネ目が減って、タヌキ目やパンダ目が増えている。なぜそのようなアイラインを入れるのだろうか。そう見えているのは僕だけなのだろうか。

目の全体を囲むようにアイラインを入れる。これは十代後半の女性に多い。彼女たちは、それによって自分の目が大きく見える。そう思っているのかもしれない。でも、僕には逆に小さく見えてしまう。目が小さいことを気にして、無理にアイラインを入れているように見えてしまう。

アイラインは、目全体を囲むのではなく、むしろどこを抜くかがポイントとなる。目の上のアイラインは目尻2/3くらい、目の下は目尻1/3くらいにとどめたい。黒目の下は、上手に入れないと逆効果になる。少なくとも目頭はやめたほうがいい。

外国に長く暮らしている日系人は、かなりの年配の女性も含めて、アイラインをはっきり入れる。その方が西洋人らしい顔になるからだろうか。その土地では似合うのかもしれない。でも日本国内では違和感がある。メイクは土地によって違う。文化によって違う。

宝塚の男役スターは、かなり大きめにアイラインを顔に描く。確かに観客席からは、目が大きく魅力的に見える。でもそれと同じメイクの女性(男性?)が街を歩いていたら、おそらくは皆びっくりする。すぐ隣にいたら、もっとびっくりする。

アイラインを強く入れたメイクは、街で遠くから見ると目立つ。でも、すぐ目の前の恋人にとって、それは本当に魅力的だろうか。顔の魅力は、その顔を見る距離によって違う。言いかえれば、どのような距離の相手に魅力的に見られたいかによって、メイクそのものが変わる。

いま、濃いアイラインが好まれている。それは、相手と距離をおいた関係を望んでいるということなのだろうか。さらに言えば、自分自身とも距離をとりたいのだろうか。言いかえると、違う自分となって、自分を力づけようとしているのだろうか。