夢を持つこと 2012.10.14-10.20 

夢を持つこと。それは未来を見つめている人だけに許されている特権である。一方で、夢さえしっかり持っていれば、どんな厳しい現実でも耐えることができる。前向きな気持ちになれる。夢は、未来ではなく、今を生きるためにある。

夢は、大袈裟に考える必要はない。誰でも持てる。身近な、例えば職場を明るくしたいという夢があってもいい。一方で、荒唐無稽な夢があってもいい。人から笑われたら、それを誇りに思おう。人が笑うことをひたすら夢見る、それもかっこいいと僕は思う。

夢を持つことが、現実逃避の言い訳になってはならない。それによって現実がおろそかになってしまったら、夢は麻薬と同じになる。現実から逃避したら、夢はますます遠のいていく。今を前向きに生きる、夢はその延長上にある。

夢はあきらめないことが大切である。その時にすぐ実現しなくても、いつかは追い風が吹く。追い風が吹けば、それに乗って夢を実現できる。夢を捨ててしまうと、追い風に気づかない。他人が追い風に乗ると、あわててそれを追いかける。それではもう遅い。

夢は、そう簡単には実現しない。自分の能力に絶望することもあるかもしれない。運の悪さを嘆くことがあるかもしれない。夢が遠い蜃気楼に見えるかもしれない。そのように思ったら、まずは一歩を踏み出してみよう。意外と身近なところに、夢を実現するきっかけがある。

夢は自分一人だけのものとせずに、みなと共有しよう。特に自分が大切と思っている人と共有できたら素晴らしい。夢を分かち合い、ともに育てることができる。一人ではとても不可能に思えた夢が、共有することにより現実のものとなる。

「夢を持て」と学生に講義したときに、学生から質問を受けた。先生自身の夢は何ですか。一瞬考え込んでしまったが、僕はこう答えた。「死ぬ1秒前まで夢を持ち続けること」だと。そう、死ぬまでは、それが最後の1秒であっても生きている。生きている限り夢を持ち続けていたい。