ストレス 2012.11.25-12.01

現代社会はストレスで溢れている。個人的なことになるけれども、数年前に定年という形で組織を離れてストレスがなくなるかと思ったら、このままさぼっていていいのかというストレスが溜まる。ストレスはしつっこい。

会社の社長を始めとして、組織のトップにいる人の給料は高い。それはストレス代でもある。組織に何かあったとき、それが自分の責任でなくても頭を下げなくてはならない。批判を浴びなければならない。そのストレス代として給料がある。トップでなくて平社員でも、それは同じかもしれない。

大人の社会はストレスに満ちている。大人とは、そのストレスに耐えるだけの免疫力がついている人を言う。いまその免疫力を身につけることなく形だけ大人になってしまった若者が増えている。免疫力がないから、ストレスが少しでもあると、すぐそこから逃げようとする。

ストレスは心ばかりか体をも蝕む。心配や不安は度が過ぎるとストレスになる。ストレスは自分だけで悩むとますます重症になる。みなで共有したほうがいい。話すだけで、聞いてもらうだけで、少しは解消する。飲み屋で酒の肴にして発散してもいい。

適度のストレスは体にいいと言う人もいる。ストレスは老化を防止する。その意味では、たとえば定年後も完全に引退しない方がいい。最高の親孝行は親不孝であるとも言う。まだまだ死ねないという気にさせれば、年老いた親は長生きする。安心させてしまうと、かえってぼける。

ストレスが溜まると、人は非寛容になる。他人に完璧さを求め、ちょっとした失敗にも攻撃的になる。許すことができなくなる。それはストレスによって心に余裕がなくなっているからだ。ストレスは社会をぎすぎすしたものにする。

世の中で一番ストレスのない人は、実は周りの人にストレスを与え続けている人かもしれない。それに気づかなければ、ストレスにはならない。それは本人にとっては幸せなことかもしれないが、周りの人にとってはストレスとなる。迷惑な不幸となる。