アンテナ 2012.12.09-12.15

◆アンテナ◆ 動物の感覚器はアンテナとしての役割を担ってきた。危険の襲来を感知するためのアンテナ。生存に必要な獲物を捕獲するためのアンテナ。その感度を高めることが、生き延びるために必須であった。現代社会でもそれは変わらない。ますますアンテナが大切になっている。

馬のような草食動物の目は横についている。それは襲ってくる危険を360度監視するためである。震災への対処も同じだ。目先のことばかりに気を取られている現代人は、危険に対して広くアンテナを張ることを忘れてしまった。それもシステム依存になって、自らのアンテナを鈍らせてしまった。

アンテナは、それが単なる感覚器であったら何も意味をもたない。重要なことは危険を感知したら咄嗟に判断して、行動に移すことである。すべてがマニュアル化してしまった現代社会において、いま自ら感ずる力、想像する力、判断する力、行動する力をいかに取り戻すかが問われている。

いまや情報の時代。その時代を生き延びるために、新たなアンテナが必須となった。社会の動向を見逃さず、そこから真に必要な情報を得るためのアンテナ。それには動物的なアンテナとは別の張り方が必要となる。それが現代社会では生死を分ける。

広くアンテナを張るためには、ひたすら素直になることが必要となる。面白いことをそのまま面白いと思うことが大切である。なぜかわからないけれども面白い。人には説明できないけれども面白い。それを直感できるかどうかで、アンテナの感度がきまる。

アンテナは、指向性を持たせることによって、特定の情報に対する感度を高めることができる。そのためには問題意識を常に持っていることが大切である。それがしっかりしていれば自ら情報をとりにいくこともできるし、たまたまアンテナにひっかかったときは、ひらめきが得られる。

年をとると、アンテナを張る力が弱くなる、それ以上にアンテナから得られた情報をすぐ忘れてしまう。何かに気づいたら、何かを思いついたら、まずは忘れないうちにメモをとることが必要になる。それは自らに強制しないとできない。このツイッターは僕にとって、そのような意味を持つ。