メディア 2013.02.17-02.23

メディアという言葉から何を思い浮かべるだろうか。ついこの間までは、マスメディアだった。大学では文系の研究テーマであった。それがいま、大きく様相を変えている。マルチメディアの頃から情報関連技術者の用語にもなり、先端メディアがますますホットになりつつある。

メディアは媒体、それはマスメディア以外にも、色々な意味を持つ。伝送メディア、記録メディア、視覚・聴覚・触覚などの感覚メディア、映像や音響などの表現メディア。かつてニューメディア、マルチメディアが騒がれたけれども、それぞれメディアの意味が違っていたからややこしい。

「コンピュータは計算する機械ではなく、これからはメディアになる」。20年以上前にこのような趣旨の講演をしたことがある。もちろん多くの人がそれを予言していたけれども、その通りになった。それは時代というエネルギーを得て、自己増殖しているように見える。

僕は新しいメディア端末が登場すると比較的早くにとびつく。デジカメも、恐竜の名前をした携帯情報機器も、登場したときに真っ先に手に入れた。僕にとってそれらはメディアであった。人前でデモすると、その場が盛り上がった。まさにコミュニケーションメディアであった。

通信メディアは人と人をつなぐ仕組として登場した。電話がそうであった。それがコンピュータ同士をつなぐネットワークとなった。そして、いま地球上のすべてのモノがつながれようとしている。言い換えると、すべてのモノが再編成されようとしている。

メディアはつなぐことであり、その関係を問題とする。技術的にはヒューマンインタフェースであり、それを動的にとらえればインタラクションになるが、つながれることによって変容がおこる。人も変容するし、モノやコトも変容する。メディアの本質は、その変容にある。

いまメディアが面白い。新しいメディアを創り出すことが面白い。それを科学することが面白い。メディアは未来を創る。それだけの力がある。逆に言えばメディアは未来に責任を持たなければならない。そのような時代を我々は生きている。