終わりがあるから始まりがある。始まりがあって終わりがあるのは当たり前だけれども、終わりは、決してそこですべてが無くなってしまうわけではない。それは新たな始まりでもある。一年の終わりと始まりがある週に、終わりと始まりの関係について考える。
人の一生には終わりがある。人は誰でも死ぬ。なぜなのか。死ななければ次が始まらないからだ。次の世代が困るからだ。進化論によれば、動物は新たな多様な遺伝子を残して、古い遺伝子と置き換えることによって環境に適応する。古い世代がいつまでものさばっていたら、その種は必ず滅亡する。
一年の終わりの日として大晦日がある。それは一年を清算する時でもある。おそらく大晦日という日がなければ、清算することもないだろう。いろいろあったけれども、終わりよければすべてよし。今夜は除夜の鐘を聞きながら、すべてを清算することにしよう。
あけましておめでとう。一年の計は元旦にあり。元旦の元は始め、旦は朝。まさに一年の始まりの時間だ。朝寝坊するのもいいけれども、やはり始まりは大切にしたい。始めよければ終わりよし。そう信じてこれからの一年を楽しく過ごすことにしよう。
新しいことを始めるために、前のことを終わらせようとすると、それは意外に難しい。どうしても未練が残る。慣れ親しんだ道をそのまま歩いた方が安心できる。とりあえずの成果もでやすい。そのままずるずるしてしまう。思い切って終わらせる勇気、それが次の成功につながる。
古いことを終わらせる最も手っ取り早い方法は、とりあえず何はともあれ、新しいことを始めてしまうことだ。新しいことが面白くなれば、古いことは後回しになる。結果として、古いことは自然に終わってしまう。この順番を逆にすると、なかなか新しいことは始められない。
人生も残り少なくなって、友の訃報に接すると、僕もそろそろ終わりの準備をしなければという気持ちになる。一方で、少しでも時間があるのなら、新しいことを始めたいという気持ちもある。僕のいまの年代はその両方ができる。それは幸せなことかもしれない。