紅白 2014.12.28-2015.01.03

今年も年末になって紅白歌合戦の季節になった。出演者が発表されたけれども、知らない歌手が増えている。僕が歳をとってほとんどテレビの歌番組を見なくなったためだろうか。必ずしもそれだけではなさそうだ。歌番組自体も減っている。もう歌の時代ではなくなったのだろうか。

かつては80%を超えた紅白歌合戦の視聴率も、最近では40%台になっている。国民的行事とは言えなくなった。もはや国民的であることを騒ぐ時代は終わったように思うけれども、日本人はこの言葉が好きだ。国民的美少女コンテストがもてはやされ、最近では国民的美魔女コンテストもある。

紅白歌合戦は、テレビというメディアが全盛だった頃の象徴だった。大晦日の夜の楽しみはテレビしかなかった。まずはレコード大賞を見て、終わったらチャネルを変えて紅白歌合戦を見る。人気歌手が渋滞に巻き込まれずに会場を移動できるだろうか。それを心配する。その時代が懐かしい。

大晦日、紅白歌合戦の大騒ぎが終わると、ゆく年来る年の時間になる。一転して静寂の時間が少しの間だけ流れて、暗闇の中で除夜の鐘がなる。僕はその時間が好きだ。日本人であることを実感する。そのわずかな時間に対して、僕が審査委員長になって、ある団体からNHKに賞を出したことがある。

あけましておめでとう。紅白は必ずしも年末用語ではない。もともと日本では紅白はハレを意味する。祝いの席では、紅白の幕が張られ、おみやげに紅白饅頭が配られる。おせち料理には紅白蒲鉾が欠かせない。紅白は正月の方が似つかわしい。

紅白がお祝いでなく、合戦の意味で使われるようになったのは、源氏と平家の源平合戦が始まりと言われている。源氏が白旗を、平氏が紅旗を掲げて戦ったからだ。紅と白、どちらが先でもいいような気もするけれども、白紅とは言わない。白紅は、鹿児島地方では、万能の塗り薬を意味する。

紅白、年末は恒例の歌合戦を楽しみ、正月は年始のお祝いをする。紅白だからみなが楽しめる。同じ色の組み合わせでも、これが黒白だったら、昔は別として今では意味がまったく違ってしまう。祝うことができない。難しいことは言わないで、まずは紅白に乾杯!

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