ありがとう 2015.03.15-03.21 

長く生きていると、ときにはおめでたいことも起こる。周りの人から「おめでとう」と言われ、「ありがとう」と感謝する。おめでたいことにではなく、人に対して「ありがとう」と言えることに感謝する。喜んでいただけたことに感謝する。

「ありがとう」は、ありがたいことに感謝することだ。ありがたいは有り難いと書く。あって当たり前ではなくて、特別に与えられるものだ。得難いものだ。それは自分にはふさわしくない過ぎたことかもしれない。それを感謝して受け入れる。それが「ありがとう」だ。

おめでとうに対して素直に「ありがとう」と言える心、それを大切にしたい。謙遜も人の美徳だけれども、もっと自分に忠実になっていい。せっかく喜んでいただいたのだから、自分を飾ることなく、素直に一緒に喜ぶ。それが相手へ感謝するということだろう。

僕の人生はありがたいことだらけだ。そもそもこの世に生まれたことがありがたいことだ。宇宙がなければ、地球がなければ、生命が誕生しなければ・・・、そして父親と母親が出会わなければ、僕は生まれなかった。それは確率がゼロの「有り難い」ことだ。

ありがとうは、めったに起こらない有難いことへの感謝だけれども、考えてみれば、毎日の生活のささやかな一つ一つのことが有難いことなのだ。そのそれぞれへ対して「ありがとう」の気持ちを忘れないようにしたい。気軽に、気張らずに「ありがとう」を口に出せるようにしたい。

朝起きる。目が覚めたことに感謝する。朝食をとる。糧を与えられたことに感謝する。昼間に仕事をする。元気に仕事ができることに感謝する。人に会う。会えたことに感謝する。夜、今日も生きていたことに感謝する。そして「ありがとう」と言って眠りにつく。そのような生活ができれば素晴らしい。

ありがとう。まずは身近な家族にありがとう。多くの方々に支えられていることにありがとう。さらに言えば、社会の中に、自然の中に自分が生かされていることにありがとう。そして何よりも、いま生きていることに、ありがとう。