休暇 2015.05.10-05.16

休日と休暇は違う。休日は就業規則や法律で定められている。休暇は勤務日だけれども本人の申請で休む日だ。長期の休暇はバカンスとも呼ばれる。日本は、休日は多くなったけれども、休暇を自由にとれる習慣がない。なぜなのだろうか。

休暇がなぜとれないのか。忙しく働いている同僚に気兼ねしてなかなか言い出せない。それもあるだろう。もしかしたら同僚も君に気兼ねしているのかもしれない。まずは同僚が休暇をとりやすい環境をお互いにつくる。そこから始めたらどうだろうか。

休暇がなぜとれないのか。社員が休暇をとっていては、競争に負ける。上司が、そして会社のトップがそう考えていると、社員は自分の評価に影響するので休暇がとれない。休暇がとれないほど余裕のない企業に競争力があるとは、到底思えないけれども。

休暇がなぜとれないのか。お金がないからとれない。休暇に非日常性を求めて、例えば旅行しようとすると、どうしても費用がかかる。その他にもお金がかからない休暇の過ごし方があるはずだけれども、お金にこだわる貧乏性の人ほどそれが思いつかない。

休暇がなぜとれないのか。仕事が生きがいで、仕事が面白くて休暇を必要としない人もいるだろう。人は仕事中毒と言うかもしれないが、それはそれで幸せなことだ。ただし、それはその人の価値観であって、他人には押し付けないほうがいい。

休暇がなぜとれないのか。休暇をとっても何をしてよいかわからない。そういう理由もあるかもしれない。働くことは会社などの組織がデザインしてくれる。一方で、休暇は自分自身でデザインしなければならない。そこでは自分がどのような人生を生きたいか、それぞれの人生デザインが問われている。

休暇がなぜとれないのか。日本に特有の事情があるのかもしれない。24時間戦ってきたかつての企業戦士が会社の中枢にいて、その時代の価値観から抜け出せていない。これに加えて日本は休日が多いから、かえって休暇をとりにくいということもあろう。だとすると皮肉なことであるけれども。