居眠り 2015.09.27-10.03

会議や教室などで、無性に眠たくなるときがある。そのときどうするか。机にうつ伏せになる人もいれば、椅子にもたれかかって、のけぞる人もいる。そのままの姿勢を保とうとして、舟を漕ぐ人もいる。三者三様で面白いけれども、そこに何か法則があるのだろうか。

学生が授業中に眠くなると必ずうつぶせになる。そうすることによって、教師の視界から逃れようとするのであろうか。それは甘い。教師からははっきり見えている。多人数の講義でも、教師はしっかり見ている。君は見られている。

会議で偉い人が寝るときは必ず仰向けになる。それはそれでいい。問題はいびきだ。仰向けになると喉が塞がれていびきをかきやすい。いびきが会議室に流れると、それだけで会議はおかしくなる。それが偉い人であればあるほど、周りは注意できない。

眠いとき若者はうつ伏せになり、偉い人は仰向けになるけれども、中間層の人は、一生懸命そのままの姿勢を保とうとする。そして舟を漕ぐ。その振れ幅は次第に増して、あるレベルに達すると、ガクンと大きく振れて目を覚ます。そして再び舟を漕ぎだす。偉い人から見られていることも知らずに。

ある晴れた日の昼下がりの講義で、学生がほぼ全員うつ伏せになって眠ってしまった。教師は、それに気づかないかのように、そのまま講義を続けた。まるで修行僧のようであった。それはまだ駆け出しであった若き日の僕自身の姿であった。教師はそのような修行を積んで成長する。

会議室や教室で居眠りするのは、そこでの議事や講義内容がつまらないからだと、相手に責任転嫁する人がいる。でも、それはお互い様だ。積極的に質問をして、さらには自分の意見を言えば、面白くなる。安易に相手のせいにすると、もっとつまらなくなる。眠くなる。

僕は会議中によく居眠りをした。対面で話しているときも眠たくなった。気の緩みだと反省していたら、病院で睡眠時無呼吸症候群と診断された。治療器をつけて夜寝るようにしたら少し改善されたけれども、病気は理由にならない。居眠りとの戦いは、これからも一生続く。