カウントダウン 2015.10.11-10.17

人は必ずいつかは死ぬ。生まれたら必ず死ぬ運命にある。ということは、人生は誕生のときにカウントダウンが始まっているとも言える。しかし、ほとんどの人はそれを意識しない。死ぬ直前まで、自分はまだまだ生きると信じている。

人生のカウントダウンが始まったことを知ることは、人の命が有限であることを自覚することだ。若いうちは無限であると錯覚するけれども、それは若者の特権かもしれない。無限だと思うから冒険ができる。夢を持つことができる。

カウントダウンを自覚しないから、人は前向きに生きている。死神は前から近づいてはこない。後ろからやってきて、肩をたたく。後ろから来ることが大切なのだ。自分の前に死神の姿が見えたら、恐怖で一杯になる。一歩も前に進めなくなる。

人生のカウントダウンが始まったときから、本当の人生が始まるという考え方もある。癌で余命が宣告されて亡くなった友人の追悼会での奥様の挨拶のお言葉。「この1年間、これまでで最も充実した夫婦生活が送れました。素晴らしい毎日でした。感謝しています」

人生カウントダウンが始まったら何をするか。例えば、あなたの余命があと1年と宣告されたら、その1年をどう過ごすか。同じ生活をそのまま淡々と続ける。それもいい。いままでできなかったことを、勇気を出してやる。それもいい。悲しみながら1年を過ごすことだけは、できれば避けたい。

人は必ず死ぬ義務があるけれども、死ぬまでは生きる権利が与えられている。人生のカウントダウンが始まっても嘆くことはない。生きる権利を淡々と行使すればいい。人生はマラソンではなく駅伝なのだから、タスキを次の世代に渡すことだけを考えればいい。

僕も古希を過ぎてカウントダウンの人生に入った。自分に残された時間が有限であることを知るようになった。できればその時間を大切にしたい。しかし浮世はそれを許さない。容赦なく時間を剥奪していく。それもまた人生であると自分に言い聞かせながら、今日もまたカウントダウンが進行する。

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