バカ 2015.12.06-12.12

今年は赤塚不二夫生誕80年、これを記念した「バカ田大学」のイベントで、「バカ」に関して講演する機会があった。依頼されてからわずか10日間しか準備の時間がなかったけれども、その間ひたすら「バカ」について考えた。僕にとって充実した10日間であった。

関東では「バカ」だけれども、関西では「アホ」という。名古屋では「タワケ」だ。他にも、アホンダラ、アンポンタン、ウスノロ、オタンコナス、ドジ、トンマ、ノーテンキ、パー、・・・。「バカ」の類語は数限りなくある。気をつけて使う必要があるが、それだけ愛されている証拠だ。

赤塚不二夫は、「これでいいのだ」と「バカ」であることに居直る。考えてみたら、人生居直りが大切だ。特に僕のような老人はそうだ。居直りは老人の特権だとも言える。ボケを装えば、自由に居直ることができる。ヤバいことがあったら、少しだけ待ってもらって、死んでお詫びをすればいい。

「バカ」の反対語は「お利口」だ。中途半端に先読みして一歩も踏み出さない。理路整然と反対意見ばかり言う。人の批判をして、何も提案しない。決して悪乗りしない。いまの日本は、優等生タイプの「お利口」ばかりが多すぎる。

「バカ」は、いい加減で無鉄砲、無計画、ケロリとしてくよくよしない、平気の平左、何が起きてもものともしない。あけっぴろげ、ノリがいい。そこから、とんでもない創造が生まれる。これからの日本に必要とされているのは、そのような「バカ」な人なのだ。

「バカ」と言われて怒るのは、本当にバカな人だ。国会で「バカ」という発言や答弁、さらにはヤジがあると、それだけで少なくとも数日間は審議が空転する。それは何を意味するのだろうか。「バカ」と言われて怒る国会議員は、バカを装っているのだろうか、それとも本当にバカなのだろうか。

「バカ」は褒め言葉だ。いやーんバカ、おバカさんね。いずれも相手を決して蔑んでいない。むしろ褒めている。「バカ」は個性であり、偉大なる能力である。「天才バカボン」を読むとそれがわかる。バカボン、そしてバカボンのパパはえらい。それを生みだした赤塚不二夫はもっとえらい!

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