職業の呼称 2016.02.14-02.20 

ある団体の名簿を眺めていたら、そこには肩書としてさまざまな職業名が記載されていた。作家、医師、弁護士、歌手、茶人・・・。作家はなぜ「家」、医師はなぜ「師」、弁護士はなぜ「士」なのだろう。そもそもそのような呼び方に意味があるのか。ちょっと疑問に思って考えてみた。

作家、音楽家、作曲家、画家、書家、建築家、落語家・・・。「家」がつく職業は、芸術がらみが多い。芸術家という呼び方もある。芸で一家を構えているということなのだろうか。芸術以外では政治家もあるが、これは政治屋になると急にきな臭くなる。それは「屋」が商売を意味するからだ。

医師、教師、牧師・・・。「師」がつく職業は、専門職につけることが多いが、師匠という意味もある。歌手、運転手、騎手など「手」がつく職業は、もっぱらその技能を職業にしている人を指す。師より低くみられることもあるけれども、むしろ特殊技能を誇りにしている人と考えたい。

師に似た呼称として「士」がある。これは資格を必要とすることが多い。弁護士は司法試験、博士・修士・学士は大学で所定の単位をとらないと授与されない。そう言えば、行司、宮司、祭司など「司」がつく職業もある。これは儀式を司る人という意味合いが強い。

教員、事務員など「員」がつく職業は、組織の構成員として特定の任務を担っていることが多い。会社員、銀行員など組織の種類を指すこともある。組織が官庁であるときは、警官、外交官のように「官」になる。国立大学も法人化される前は、教員は教官、事務員は事務官と呼ばれていた。

茶人、詩人、歌人、俳人・・・。「人」がつく職業は何となく文化的な香りがする。ずばり文化人という言い方もある。もちろんそうでない職業もある。役人を役者とすると意味が違ってしまうので、単にそのように呼んでいるだけなのかもしれない。

学者、教育者、医者、技術者、経営者、労働者・・・。「者」がつく呼称は単なる職業分類であることが多く、一部を除いて名刺には記されない。僕は工学者だけれども、名刺は所属している大学名が肩書になる。学者は組織が大切な職業なのだろうか。もっと個人として独立していい。そう思うけれども。

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