立ち止まる勇気 2016.03.20-03.26 

いまの社会、競争に煽られて、ひたすら前へ進むことが求められている。人よりも一歩前にでることが、人生の勝利者の条件とされる。そのような時代だからこそ、あえて自分に言い聞かせる。「立ち止まる勇気を持とう」

立ち止まる勇気を持とう。前ばかり向いていると、前しか見えない。それが自分が進むべき唯一の道と思ってしまう。それだけが正しいと勘違いしてしまう。本当にそうなのか。道は一つではない。自分が本当に進みたい道はどれなのか。立ち止まって、もう一度自分の目で確かめてみよう。

立ち止まる勇気を持とう。立ち止まることによって、周りの景色をゆっくり眺めることができる。景色を楽しむこともできる。立ち止まるということは、心に余裕を持つことだ。余裕があれば、いまどこを歩いているのかを確認することができる。自分を見つめ直すことができる。

立ち止まる勇気を持とう。そして時々は後ろを振り返ってみよう。もしかしたら君があまりにも急ぎすぎているために、後ろからついてくる人たちが悲鳴をあげているかもしれない。少しだけ待ってあげよう。そして改めて、一緒に歩き始めよう。

立ち止まる勇気を持とう。前へ進むことばかり考えていると、疲れてしまう。そのようなときは、立ち止まって暫しの休息をとろう。そしてときどきは道草をして、気分転換を図ろう。そこで思いがけない発見があるかもしれない。新たな道を見出すことができるかもしれない。

立ち止まる勇気を持とう。このまま前へ進んでいいか、もう一度考えてみよう。たとえば、いま科学技術が向かっている道は、本当に人類を幸せにするのか。もし前へ進むことだけが業(ごう)になっているのであれば、ここで一度立ち止まろう。取り返しのつかない負の遺産を、後世に残さないために。

立ち止まる勇気を持とう。今から50年前、前へ進むことばかり考えていた僕は、それに疲れると、いつもある歌を口ずさんでいた。当時放映されたドラマ「若者たち」の主題歌だ。それが僕の青春だった。「君の行く道は果てしなく遠い だのになぜ 歯をくいしばり 君は行くのか そんなにしてまで」

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