うまくやる 2016.04.17-04.23

智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。確かに住みにくい。そのような時はどうするか。とりあえずは「うまくやる」。それしかないのかもしれない。

「うまくやる」は、小賢しくやることではない。相手に媚びることではない。考え抜いて巧くやることでもない。小賢しくやると角が立つ。媚びていると流される。巧くやろうとすると窮屈になる。そうならないように上手にやること、それがうまくやることなのだ。

「うまくやる」と、人は卑怯だという。なぜだろう。自分だけが得するためにうまくやっていると思われるからだろうか。自分のためではなく、相手のためにうまくやる。さらには皆のためにうまくやる。それができれば、うまくやることは決して卑怯ではない。

「うまくやる」は、完璧を期そうとしたらできない。人はいつも正解を求める。正解があると信じている。生き方もそうだ。でも人生に正解などあるのだろうか。もし正解がないのなら、適当にうまくやる以外にない。適当にやってうまくいくのであれば、それが一番いい。

「うまくやる」ためのマニュアル本は世に溢れている。ときにはそれを参考にするのもいいだろう。でも、マニュアルを忠実に実行しても、それはうまくやったことにはならない。うまくやるとは、相手に応じて、その場の状況に応じて、臨機応変に振る舞うことだからだ。

「うまくやる」は、どのような時に必要か。苦手な相手とつきあわなければならない時だ。気があった相手とはうまくやる必要はない。社会にでると、例えば職場で苦手な上司ともうまくやらなければならない。苦手な客ともうまくやらなければならない。それができる人を社会人と言う。

「うまくやる」ための秘訣は、力まないことだ。うまく「うまくやる」ことを考えたらうまくできない。自然体になって、うまくいかなくて元々だと割り切る。結果はどうであれ、楽しければいい。皆が幸せな気分になれればいい。そういう気持ちになれば、不思議にうまくいく。うまくやれる。