いまはどのような時代 2016.07.03-07.09

いまはどのような時代か。僕の直観では、いまは歴史の過渡期にある。歴史は変わろうとしている。一方で、人はその変化を素直に受け入れることができない。いまにしがみつこうとしている。そのような時代に、いま我々はいる。

いまはどのような時代か。哲学では、かなり前からポスト・モダン、西洋を中心とした近代的な進歩史観に疑問符が打たれようとしている。一方で、近代という文明に浸っている人々は、異なる文明を受け入れることができない。衝突が起こる。そのような時代に、いま我々はいる。

いまはどのような時代か。世界が小さくなった。経済のグローバル化にあわせて、人もグローバル化して自由に移動できるようになった。移民・難民が、いま世界秩序を変えつつある。一方で、人々はそれに抵抗して、閉鎖的なナショナリズムに戻ろうとしている。そのような時代に、いま我々はいる。

いまはどのような時代か。20世紀は軍事力を競った。核兵器も開発されたけれども、最近の紛争を見ると、軍事力は必ずしもその解決に役に立っていない。一方で、平和を口実にして軍事力の行使を正当化しようとする国もある。そのような時代に、いま我々はいる。

いまはどのような時代か。資本主義は経済成長で成り立っている。いまその経済成長が前提のシステムの見直しが必要になっている。一方で、政治は相変わらず成長神話にしがみついている。新たな経済モデルの構築が必要なのにできていない。そのような時代に、いま我々はいる。

いまはどのような時代か。最近の科学技術は、人という聖域をも侵しつつあるように見える。それを背景に科学技術がもたらす未来への不安が高まりつつある。一方で、現代人は科学技術に依存しなければ生きていけない。そのような時代に、いま我々はいる。

いまはどのような時代か。産業革命以来の工業化は、地球に蓄積されたエネルギーを使い果たし、環境を悪化させた。このまま続けられるはずがない。一方で、人々はいまの物質的に豊かな生活を後戻りさせることはできない。大量消費がなければ経済も破綻する。そのような時代に、いま我々はいる。