◆今を生きる◆ いつも年の瀬に思うことがある。一年はあっという間に通り過ぎる。この歳になると人生も残り少ないのに、これはどういうことなのだろう。それこそ、あっという間に人生が終わるということなのだろうか。
老人は過去に生き、若者は未来に生きると言われる。若者の未来から老人の過去へ、その切り替えはいつ起こるのだろう。もしかしたら、今の僕はちょうどその年代になっているのかもしれない。過去でもなく、未来でもなく、まさに今を生きる。今、そのような年代なのだ。
今という時間を生きる。過去を後悔するのではなく、未来を不安がるのでもなく、今を見つめて生きる。考えてみれば、今がなければ過去と未来はつながらない。今の一瞬一瞬を大切にして、それを積み重ねていく。それが今を生きるということなのだ。
今おかれている環境を生きる。あのときこうしていれば今はもっと金持ちになっているかもしれない。裕福な生活をしているかもしれない。そう思うこともあるけれども、贅沢を言っても始まらない。今の環境が僕には似合いなのだ。そう思って今を生きる。
今一緒にいる人たちと共に生きる。人は一人では生きていけない。いつも支えられて生きている。今もそうだ。今身近にいる人たちと助け合いながら、一緒に生きる。決して一人ではないと、自分に言い聞かせながら今を生きる。
今に感謝する。今生きていることに感謝する。そもそも自分が生まれてきたことが奇跡だ。生まれてから休みなく心臓が動いていることも驚くべきことだ。そのような奇跡と驚きの結果として今がある。それはいくら感謝してもしきれない、授かった贈り物なのだ。
人生にはいろいろなことがある。どのような状況にあっても、今を大切に生きる。今という時間を生きる。今おかれている環境を生きる。今一緒にいる人たちと共に生きる。そして今に感謝する。今夜は、まさに今を生きていることに思いを巡らしながら、除夜の鐘を聞くことにしよう。