トランプ 2017.01.29-02.04

トランプというカード遊びがある。久しぶりにとりだして遊んでみた。これがなかなか面白い。示唆に富んでいる。少しトランプについてつぶやきたくなった。最近ツイッターを賑わしているトランプとは、全く関係ないゲームの話なので念のため。

トランプという呼び方は日本だけらしい。英語ではプレイング・カードで、切り札をトランプという。カードで遊ぶ外国人が、ときどき切り札という意味でトランプと叫ぶので誤解したらしい。「トランプ!」と叫んでいる人を見たときは、それが何を意味するか、勘違いしないようにしよう。

トランプには特別なカードとしてジョーカーがある。もともとは冗談(ジョーク)を言う人、道化師という意味だ。タロットの最初のカードは愚者だ。冒険、無知、軽率、愚考の意味がある。単に道化師あるいは愚者であればいいけれども、それがときどきとんでもない力を持つので注意が必要だ。

トランプのジョーカーは切り札としては強力だ。ワイルドカードにもなる。一方でこれは、ゲームによっては、未練がましく最後まで持っていては絶対にいけないカードである。負けになる。早くタイミングを見計らって、思い切ってきれいさっぱり捨てた方がいい。

トランプは、疲れたときの遊びとして、打ってつけだ。独りで遊ぶことができる。みなで盛り上がることもできる。日頃溜まりに溜まった鬱憤を晴らすことができる。将来を占うこともできる。その結果次第で、もっと鬱憤が溜まることもあるけれども。

トランプは万国共通の遊びだ。少なくとも国境はなかった。日本には16世紀にポルトガルから渡来人が持ち込み、ポルトガル語のカルタがそのまま日本語になった。早くから賭け事に使われ、江戸時代はしばしば禁じられた。明治以降は税金がかけられた。戦後の「トランプ類税」は消費税導入まで続いた。

トランプの神髄は駆け引きだ。それは日本で解禁されようとしているカジノの主役だ。自分第一に儲けようとして、安易にトランプに興じていると、借金が膨らんでとんでもない赤字を背負うようになる。取り返しのつかないことになる。争いのもとにもなる。くれぐれも注意した方がいい。