眉間 2018.06.17-06.23 

顔の印象はどこで決まるのだろうか。面積的にはほんのわずかなのに、印象に大きく影響する部位がある。それは眉間(みけん)だ。顔を簡単な線で描くだけでそれがよくわかる。眉と眉の間隔をちょっと変えるだけで印象が大きく変わる。そこにしわをつければ表情も大きく変わる。

眉間にはしわができやすい。それは眉間を狭めたり広げたりする皺眉筋(すうびきん)と呼ばれる筋肉があるからだ。しわはその筋肉と直角にできる。そのような表情を長く続けると、眉間に八の字あるいは川の字に深い溝ができる。それによって顔の印象は大きく左右される。

眉と眉の間をあけて、眉間を広くすると、大らかで明るい印象を与える顔になる。その人が本当にそうであるかは別として、のんびりした性格に見える。ただしもっとのんびりさせようとして眉を大きく広げると、阿呆な間抜けた顔になるので注意が必要だ。

眉間を狭くすると、理知的な顔の印象になる。そこにしわをつけると哲学者の顔になる。でも狭くすればするほど理知的になるわけではない。狭すぎると神経質な印象を与える。理知的と神経質、その境界は難しい。

考えごとをしているときは、眉間を狭めてしわを寄せる。気持ちを集中するためだ。全体に内向きになって、身を屈めた姿勢になる。ロダンの「考える人」を見ると、そのことがよくわかる。顔をまじまじと見たことはないけれども、きっと眉間にしわが寄っているはずだ。

困っているときも、自然に眉間にしわが寄る。そのような表情は健康にも悪い。眉間にしわを寄せると、みぞおち辺りの胃にも同じしわができているような気がする。そのようなときは、大きく胸を張って、目と目を離すことを心掛けよう。そうすれば人生の視界も広がるかもしれない。

相手に対して不快な感情をもっているときは眉をひそめる。疑いの気持ちがあるときもそうだ。コミュニケーションという意味では、これは決してよい表情ではない。このような表情が顔に固定されてしまうと、そのつもりはなくても相手からはそう見られてしまう。気をつけよう。