恋の告白法 2019.09.29-10.05

いまさら役に立たないでしょう。そう言われることを覚悟しながら、自分でもそう思いながらつぶやく。恋を告白するときに、どうすれば成功する確率が高くなるか。学術はたいしたものだ。このような実践的な問いに対しても、きちんとした研究がある。

恋の告白法:「吊り橋理論」というものがある。1974年の研究だ。どきどきしていると、そばにいる相手に恋してしまうというものだ。実際に大きく揺れる吊り橋でその実験が行われたらしい。ただし、嫌いな人はもっと嫌いになるという逆の報告もある。吊り橋は危険だ。安易に利用しない方がいい。

恋の告白法:「単純接触効果」というものもある。会えば会うほど好きになる。1968年に顔写真の提示回数と好意度は比例するという研究が報告されている。見慣れた人には警戒心が薄れ、好意的感情が生まれやすいと説明されている。夫婦もそうなのだろうか。逆もありそうだけれども。

恋の告白法:「好意の自尊理論」という難しい名前がついた研究がある。易しく言えば、自信をなくしたときに、自分を認めてくれる相手に好意をだきやすいという理論だ。この理論に従えば、相手が落ち込んでいるときが恋を告白するチャンスだということだ。

恋の告白法:具体的にどのようにして恋のきっかけをつくるか。たとえばデートに誘うとき、「段階的要請法」と「譲歩的要請法」がある。段階的要請法は、小さなお願いをしてから本当のお願いをする。譲歩的要請法は、大きなお願いで断らせてから本当のお願いをする。さてどちらが有効なのだろう。

恋の告白法:恋のアピールの仕方として「自己開示とその返報性」という研究がある。これだけでは何のことかよくわからない。自分のことを相手に積極的に示すことによって、相手も心を開いてくれるということらしい。ただし初対面でこれをすると、かえって警戒されるので注意した方がよい。

いわゆる恋愛指南書を読むと、恋のマニュアルが、これでもかこれでもかと親切に解説されている。しかもそれには学術的な裏付けがあるとされているから、それを信じて実行する人も多いかもしれない。果たして本当にそれでうまくいったのか。残念ながら、そこまで調べた研究は見当たらなかった。