人生暇つぶし 2020.03.22-03.28

作家であり僧侶であった今東光の言葉:「今日は気分がいいから、教えてあげよう。人生はな、冥土までの暇つぶしや。だから、上等の暇つぶしをせにゃあかんのだ」。その通りだと、なぜか勝手に頷いてしまった。ほとんど意味もわかっていないのに。

人生暇つぶしだから、好きなことをして時間をつぶそう。嫌なことはできれば避けたい。嫌なことをしているときは、時間がたつのが長い。逆に好きなことをしているときは、あっという間に時が流れる。暇つぶしにはその方がいいことは明らかだ。

人生暇つぶしだから、その時間をできるだけ無意味に使おう。時間がもったいない、有効に使おうなどとは思ってはいけない。僕が最高の暇つぶしだと思うのは、気の合った仲間とわいわいやっているときだ。旧交を温めるのもいい。新たな出会いも楽しい。ネットでの暇つぶしは上等だとは思えない。

人生暇つぶしだから、他人と自分を比較して一喜一憂してはつまらない。くだらない競争はやめよう。評価を気にすることもない。結果なんぞ出なくてもいい。暇つぶしだからマイペースでいこう。自分勝手に、自分なりに、かっこよく生きよう。

人生暇つぶしだから、憤ってばかりいたらつまらない。その気持ちはわからないわけではないけれども、それは上等の暇つぶしではない。それよりもいつも笑顔で過ごそう。そして何事にも感謝しよう。どうせ暇つぶしをするなら、ありがとうの気持ちでいよう。

人生暇つぶしだから、ときどきは病気も楽しい。できれば皆がびっくりする病気がいい。痛風やぎっくり腰は面白くない。死ぬほど痛いのに、当然の報いだと言われるだけだ。少しだけ命にかかわる病気の方が、周りに心配をかけるのは申し訳ないけれども、いろいろあって楽しい。人生も考えさせてくれる。

人生暇つぶしだから、死んだらどうなるかを、ときどきは夢想してみよう。別にその通りにならなくていい。酒はうまいし、ねえちゃんはきれいな天国を思い浮かべてもいい。秘境の仙人のような境地を夢見てもいい。それを楽しみに冥土に行ければ、それはそれで立派な暇つぶしをしたことになる。