コロナ後の未来 2020.05.17-05.23

いまのこの危機は、社会をどう変えるのだろうか。少し大げさに言えば時代をどう変えるのだろうか。そう言えば9年前の未曾有の大震災のときに、日本はこれによって変わる。変わらざるをえない。そう言われた気がする。でもまた元に戻ってしまった。今回もそうなるのだろうか。

コロナ後の未来:変わりそうなのは働き方だ。テレワークが一気に進んだ。もちろん問題は山積みだけれども、とりあえず可能であることが示された。オンライン教育はどうだろう。これも定着していくかもしれないが、一方で教育とは何かという根本的な問いを突きつけられた。

コロナ後の未来:今回の緊急事態で、温室効果ガスの排出量が急減したと言われる。皮肉にも地球に優しくなった。喜んではいられない。必ずその反動が訪れる。コロナ後はもっと厳しくなるかもしれない。地球温暖化は人類の未来に関わる緊急事態である筈なのに、残念ながらいつも後回しになる。

コロナ後の未来:緊急事態に対処するためには、権力の集中と強制力が必要だ。監視網も強化して、一元的に管理されることが望ましい。今回の日本の対応は生温い。そのように主張する人がいる。一方で、民主主義は緊急事態におかしくなるとも言われる。時代はこれからどのような選択をするのだろうか。

コロナ後の未来:分断と協調、世界はどちらへ向かうのだろうか。いまの状況は残念ながら前者だ。協調へ向けてリーダーシップをとるべき国が、逆に自国第一主義となって、国際機関も危機的状況にある。協調しなければ緊急事態に対処できないことは自明なのに、それができないでいる。なぜなのだろう。

コロナ後の未来:グローバル経済はどうなるのか。人の移動による感染症の拡大を防ぐために、国境が封鎖された。この感染症が終息した後も、自国中心の保護主義経済、ブロック経済へ向かうのであろうか。90年前の大恐慌の後の世界経済がそうであったように。

コロナ後の未来:14世紀のペストの大流行は、ヨーロッパの中世を終わらせた。荘園制を解体し教皇権を衰退させた。死の恐怖はルネッサンスへとつながった。今回の大流行は、近代という時代を見直すきっかけになるのだろうか。それとも時代が変わるためには、もっと厳しい事態を必要とするのだろうか。